LOVE & PEACE 15 「短かった…」 やせ細った浮竹の身体に担がれるような、もつれるような態で、二人は外に出るのに、京楽は先ほどのキスについての、憎まれ口をたたいていた。 「ねえ、短かった」 しかしエレベーターの前で、京楽の足が竦む。 今の今だ。無理もない。 開いたドアを前に、乗り込まずに暫く二人はそこに立っていた。 と、浮竹が振り向いた。 「キスしてやる」 浮竹は京楽を抱えたままエレベーターの中に入ると、京楽を押し込み奥の壁に押し付けて口づけた。 背後で扉が静かに閉まる。 気配に身じろぐ京楽に、いっそう強く口付けて、二人は一階につくまでの間ずっと、長い長いキスをした。 next 02282014 |